2017/05/21

自作防音室、アビテックスを超える


 DIY初心者、設計図なし、全部一人で一か月くらいかけてゆっくり作りました。

 

 一枚目が防音室の中、二枚目が外観です。 ゴミの日が張ってあるのが生活感まるだし(笑) 畳2畳分の大きさで作成して、部屋のど真ん中にあるせいで距離が取れず、全体が映りません。 防音室にはDrという性能基準があるのですが、スマホのアプリに騒音レベルを計れるやつがあったので計測したところ、数値上ではアビテックスを超えました。 
(ただし音域による) ※Drについては詳しい説明をここでは割愛します。 
 アビテックスよりも音場はいいか? と言われるとよくわかりません。 かなりデッドではあります。 部屋の中に入ると、かなり静かです。 PCの本体を防音室の外に出して配線してるので、ファンの音もしません。 ドアの横についてる換気扇を回せば、多少気になりますが、止めれば無音で録音できます。 
 部屋の中にスタジオがあるって良いですね。 楽器やる奴にとっては最高の環境です。 夏場と梅雨がどうなるかわかりませんが、今からそれだけが怖いです。

 防音室の自作、って結構興味ある人多いと思うんです。 実際、安く作れると思うし、アビテックスより性能面で勝ってる部分も出てくると思います。 コスパは間違いなく自作の方がいい。 それでもメリット、デメリットはあるなと思いました。 そういうのも含めて、レコーディングが落ち着いたらゆっくりと、作製工程から順に書いてみようかと思います。 

  まず僕の防音室のベース、ジョイフルってホームセンターにあるジョイパネです。 それを部屋の中で組み立ててから、内側と外側を足していきました。 ジョイパネは内側が平面になるように組み立てて、グラスウールボードと遮音シートをサンドイッチにしたヤツ(アイデアはここから丸パクリしました)を立て掛け、スチールラックと有効ボードを組み合わせた枠で挟みました。 なんちゃってワンタッチ防音壁、ジョイパネの合板、有孔ボードは互いの応力で支え合ってるだけです。 

 外側はロックウールを貼ってから、石膏ボードを打ち付け、外観良くするために壁紙を貼ってます。
 構造は内側から、有孔ボード、25mmグラスウールボード、遮音シート、25mmグラスウールボード、合板(ジョイパネ)、25mmロックウールボード、0.9mm石膏ボードです。 多分、壁の厚さはアビテックスの2倍くらいあると思います。 逆に半分の厚さで性能を発揮するアビテックスは凄い! とも言える。

 次に性能ですが、売られている防音室のDrの値ってどこの音域か表記されてないんですよね。 結構不親切。 測定した音域ごとに結構変わるんですよ。 音は低音が防音しづらくて、高音は防音しやすい特性があって、僕の防音室で低域と高域でDr20も違う(笑) 最低値での話なのか、最高値なのか、平均値なのかがわからないのです。 どっからとったDrかわからないんですよね。

 とはいっても僕のスマホのアプリも正確か分かりませんが、音源鳴らして中と外で測ったところ、中高音域でDr50、低音域でDr30程でした。 僕の貸家はコンクリート造で、家自体にDr50くらいの性能があるので、ボーカルなら叫んでも(110db位)、隣の家には10db程度にしか聞こえないことになります。 

 人間の耳は20db以下は聞こえないので、防音室としては成功です。 実際、家の外で聞いた感じだと、ベースやキックを強めに大音量で出したら、もしかしたら聞こえるかも? って感じです。 
 防音室の中で120dbの音量で鳴らした音源は、まったく聞こえませんでした。 家の外の音の方がうるさい。 これについては友人が部屋に遊びに来たときにでも検証しようと思います。 全力で歌って、防音室内、防音室外、部屋の外でどう聞こえるか? いずれ試したいと思います。

 かかったお金ですが、材料費ごとに分類して、エクセルで表にしたので載せておきます。 全体で40万かけてますが、余計なものも作ってるし、工具代も入ってるので、防音室単体だと30万くらいです。 ただ、余った材料が4万円分ほどあり(まったく使わなかったのもある笑)、工夫すればもっと安くできると思います。 実際外側のロックウールと石膏ボードは無くても十分な性能になったんじゃないか? と思うし、壁紙とか防音にまったく関係ないし、ガラスクロスは正直買わなくても良かった(そもそも内壁になって見えないし、高湿気密シートだけあれば大丈夫だった)。 有孔ボードとスチールラック(コイツらが結構高い)に拘らなければもっと安かった、とも思う。 外壁分と余った材料分を引けば23万円です。 ちゃんと設計してから作ればよかった……
 ただアビテックスの畳2畳を買うと確実に100万円を超えてくるので、作って良かったと思います。 また、僕のはサイズがあるので、半分のサイズでボーカルブースを作る場合はもっと安くなると思います。 

 エクセルの画像です。 防音室を作るときの参考になれば幸いです。

※別窓で開くと大きく表示されます。

 分かりにくいかもしれませんが、レシート全部載せるのも面倒だったので。 


 


 畳2畳分のジョイパネで4万ってわかるだけでも十分かもしれません。 それでベースになるドア付きの箱ができてしまうので、あとは”吸音材をどこまで足すか”で値段が変わります。 防音ドアとかドアだけで10万するやつもあるので、それに比べればかなり現実的だと思います。

以下、余った材料を使って余計に作ったやつ
※エクセル画像の青と赤色の項目です




 窓用の防音パネル3つ、ガラスクロス張りの25mmロックウールボードを2枚、遮音シートを挟んでスプレーのりで貼ってます。 窓枠にはL型のプラスチックレールを両面テープで着けて押さえにしてます(2枚目) 遮音カーテンも費用に入ってます。 1枚目にPC本体がチラッと見えますね。 


 3枚目、ベランダの窓を2重窓にしてます。 枠は両面テープで固定できるので、引っ越すとき元に戻せます。 こちらは遮音カーテン無し。
一応、窓の防音対策もしたのです。



 4枚目、キッチンが狭いのでラック作りました。 余ったジョイントラックと有孔ボードを使ってます。 防音室とは何一つ関係ありません。 費用に入ってます(笑)





 余った木材とジョイントラックに足(ローラー付きキャスター)を足して作りました。 防音室内の机も似た感じで、余った木材で作ってます。 




 

 生活感あってすみません。 ワンルームの半分が防音室に取られていて、物を置くところがあんまりないのです。

 次回は、僕が現時点で感じているメリットデメリットを書こうと思います。